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介護の知識

在宅看取りに向けて

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昨今、各種の在宅サービスが増えてきています。この中には、公的サービスだけでなく利用制限(時間や曜日など)のない自費サービスもあります。

自費訪問看護
看護師がご自宅に訪問し医師の指示に基づき吸引や点滴などの医療処置、医療機器の管理などの処置など実施。
保険適用外のため、ご利用時間帯や曜日などの制限なく、夜間や休日、長時間のご利用も可能。
自費訪問介護
介護ヘルパーが訪問し買い物や掃除、食事や排せつの介助などを実施。
介護保険適用外のため、時間や曜日の制限なくご利用可能。
家事代行
家政婦がご自宅に訪問し、洗濯や掃除など身の回りのお世話、庭の手入れやペットの世話なども可能。
配食サービス
毎日の食事を配達してくれ、同時に安否確認もしてくれます。
移送サービス
病院や高齢者福祉施設までの送迎を、車いすリフト付き車両で実施。

在宅見取りをはじめご自宅での療養は、短期間とはいえ先の見えない状況が続きます。
検討する際には次の項目を再確認し、公的サービスが使えない部分をご家族で無理するのではなく、保険外(自費)サービスを活用する事も大切です。


  • 1) 本人とご家族の意思
    本当に自宅に帰るのか。
  • 2) 病状により必要な医療処置や介護内容確認
    ご家族でどこまで対応できるか。
  • 3) 公的な居宅サービスの利用可能範囲
    ケアマネとサービス事業者に確認。
  • 4) ご家族が無理なく継続できる介護力
    家族内で確認。
  • 5) 公的サービスやご家族でもカバーできない部分の見極め
    自費サービス検討。

ご本人と奥様の希望で在宅に移行した事例

利用者:79歳男性 肺がん原発の肝がんターミナル

身体状況:吸引、PIC、酸素管理

ご家族:奥様と2人暮らし、近隣に別世帯で娘さんがいるがお子さんも小さく、主介護者は奥様。

結果:退院3日後、ご家族に見守られながら終了となりました。

     
6:00
         
22:00
毎日夜間
22:00〜
6:00
自費看護に任せ
睡眠確保
奥様が吸引手技を習得して看護
医療保険で9:00と15:00に
訪問看護(点滴と吸引)
自費
看護

自費による訪問看護料金
3日間夜間8時間看護
22:00~翌6:00¥20,000+¥6,000×(8-3)時間+¥2,000=¥52,000
¥52,000×3日間=¥156,000(税別)

ご本人と娘さんの強い希望でご自宅に戻った事例

利用者:87歳男性 誤嚥性肺炎後

身体状況:気管切開、CVポート、尿バルーン、酸素管理

ご家族:ご夫婦と娘さんが同居、奥様は高齢であり認知症もあるため介護力なし。
主介護者である娘さんは、土日が仕事のため不在。近隣に在住の息子さんも介護に協力的ではあるが仕事の合間でしか協力できない。

結果:退院後10日間ご自宅で過ごされ、ご家族に見守られながら終了となりました。

       
8:00
       
20:00
 
  ご家族が主体で看護
医療保険で10:00と16:00に訪問看護を
1日2回利用
介護ヘルパーが9:00と18:00に訪問身体介護支援
 
夜間(22:00から8:00)自費看護
土日は、主たる介護者(娘さん)が仕事のため
日中も自費看護を利用

自費による訪問看護料金
1)8日間:20:00~翌8:00 夜間12時間看護
2)2日間:20:00~翌20:00 24時間看護(看護師2交代制)
20,000+6,000×(12-3)時間+2,000=76,000×8日=¥608,000
20,000+6,000×(24-3)時間+¥2,000×2人=150,000×2日=¥300,000
10日間合計 ¥608,000+¥300,000=¥908,000(税別)

ご本人とご主人のご希望でご自宅に戻った事例

利用者:77歳女性 胃がんターミナル

身体状況:吸引、点滴、フラッシング、CVポート、酸素管理

ご家族:ご主人と息子さんの3人暮らし、娘さんは近隣に別世帯で在住。
主介護者はご主人のため、24時間看護で対応。

結果:退院後7日目の朝、バイタルが下がりご家族に見守られながら終了。
退院直後は、ご自宅で好きなワインやたばこを楽しむ余もあり、ご自宅に帰れたことをたいへん喜んでおられました。

       
9:00
       
21:00
2交代制(9:00・21:00)で24時間自費看護
9:00から15:00家政婦による家事支援

自費による訪問看護料金
3日間夜間8時間看護
7日間:9:00~翌9:00 24時間看護(看護師2交代制)
20,000+6,000×(24-3)時間+¥2,000×2人=150,000×7日=¥1,050,000(税別)

超高齢化と多死社会を迎え、「在宅看取り」や「在宅療養」をお考えの方も増えています。しかし、核家族化が進んだことで「老老世帯」や「独居世帯」が増えご家族による介護力は失われつつあり、これを補うような民間サービスが増えてきています。
このような社会情勢の変化や家庭環境など踏まえ「自分の人生の最後をどこで迎えるか」検討される際の一助になれば幸いです。

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