いわゆるホクロの癌とよばれているものです。
皮膚のメラノサイトとよばれるメラニン(褐色の顆粒)を生成する細胞の癌です。
いわゆるホクロの癌とよばれているものです。
皮膚のメラノサイトとよばれるメラニン(褐色の顆粒)を生成する細胞の癌です。皮膚腫瘍中、悪性度が最も高いことで知られています。メラノーマ(Malignant melanoma)とも呼ばれ、ほくろと一見同じように見えても全く別の病気です。進行すると、リンパ節や血行性に他の臓器(脳、骨、内臓)に転移していき致命的な結果を 引き起こします。
よく足の裏のほくろは危ないという話を耳にしたことはありませんか?これは常に刺激をうける足の裏では、その刺激によってほくろが癌になる可能性があるということからきているものだと思われます。それでは本当に刺激を与えればほくろは癌になるのでしょうか?メラノーマの患者さんの問診では、昔はほくろだったということをよく聞きます。
これには2つの解釈があります。もともと本当にほくろであり、何らかの刺激(外傷やヤケド、男性の顔面では髭そり等で傷つける等)により悪性化した場合、もう一つはもともと癌の初期で、ホクロと勘違いしていたということです。後者の方が多いと考えられています。
ホクロのように黒色の色素斑として出現するものがほとんどです。時間が経つと隆起してきたり周囲に色素が染み出すような形態をとります。まれですが、全く黒くなく赤色調で表面がびらん(皮膚がなくむけている状態)を呈してくるものもあります。
身体のどの部分にも生じえます。
皮膚科専門医であれば視診である程度は診断がつきます。ただの色素斑ではないなと判断した場合、デルマトスコープ(一種の拡大鏡)を使用し外観を詳細に観察し情報を得ます。また、結節から滲出液などが出ていれば腫瘍からの産生物(5-SCDと呼ばれます)があるかどうかスタンプ蛍光法で確認することも行います。
通常、腫瘍の確定診断といえば、生検といってその腫瘍の一部を切除し病理組織診断をすることをおこないますが、悪性黒色腫の場合、生検により病態を悪化させることがあるので行いません。
原則として病変をすべて摘除して病理組織検査を行います。その後必要であれば追加切除を早期に行います。
悪性黒色腫である場合多臓器への転移があるかどうかを精密に調べ、化学療法や放射線療法併用する場合もあります。
原則として手術療法ですが、通常の癌の扱いと同様、状況によっては手術する意味がない場合や、化学療法をはじめとする全身療法が必要になる場合もあります。
予防法はありません。紫外線との関与はあるので日光の強い曝露は避けた方がよいでしょう。最近出現し、急速に大きくなった色素斑や、今まであっても色が急に濃くなったり、周囲に染み出してくるような色素斑があれば皮膚科医に診てもらうのがよいでしょう
手術のほか、化学療法を補助的に使います。